2017/09/05

2007年9月4日オープンして早10年



正直、心が折れそうになった事も何度かありました。でもそんな時、助けて下さったのはいつもお客様でした。

この10年間でお会いできた全てのお客様がマダカフェにとってが大切な宝物です。
そんな中でも、特に忘れられない方がお二人いらっしゃいます。

お一人目は、私の母と同世代の女性です。一度目はお一人での来店でしたが、二度目のこの日はご友人を誘って8名でランチに来てくださいました。しかしその時、オープンして間もない私の不手際により、皆様に楽しくお食事をしていただく事が出来なくなってしまった出来事がありました。お食事が終わり、張り裂けそうな気持ちを抑えながらお会計をしていると、『ごめんね。もうあの人達は連れてこないからね。』と、本当に申し訳なさそうに私にそう伝えて帰っていかれました。

それからは、初めて来てくださった時のようにお一人でいらっしゃり、よく差し入れをしてくださいました。季節のフルーツやお野菜、時には新鮮な卵なども。あの時の一件をご自分の責任のように思っていらしゃったのかも知れないと思うと、申し訳ない気持ですが、それ以上に感謝の気持ちでいっぱいです。もう一度お会いして10年目を迎えられたことをお伝えし、あの時にかけて頂いた優しい言葉で私が救われたこと、お礼をきちんとお伝えしたいです。


お二人目のお客様もご年配のご婦人です。とても上品で、洗練された方でした。よく旦那様とお二人で都内や横浜にお出かけされるのですが、午後2時頃に来店しては、『主人が「ランチはマダカフェにしよう!」って。』と笑顔で話される奥様。都内まで行って何故ランチが当店なのですか?毎回恐縮していました。よくナポリタンとカレーを召し上がり、半量食べると必ずプレートを交換するというとても仲の良いご夫婦でした。

当時84歳とお聞きしていた奥様はお食事を終えると、目立たないように、いつも必ず口紅を差し直していらっしゃいました。ご主人は奥様が、お化粧ポーチをバックにしまうまで、静かに待たれていました。

お会計を済ませると、ゆっくりとお財布をバックにしまいながら、いつも私に声を掛けて下さいました。お客さんが少なかった時には『時にはゆっくりお身体を休めてくださいね。』忙しい時には、『今日は沢山お客様が入って良かったですね。』

残念ながら、お逢いできなくなって3年が過ぎました。週に1~2度来てくださっていた素敵なご婦人にもお礼が言いたいです。

『見守って下さってありがとうございました』


これからの10年に何が起こるか予想も付かず、また何の計画も立っていませんが、これまでの10年と同じように、これからの10年も前を向くのみです。


これから出会うすべてのお客様、どうぞよろしくお願い致します。


                          mada  cafe      根本