私が、20歳の頃から数え切れないほど通い詰めた喫茶店。
今は、夜だけ営業のバーだが今夜もマスターがサイフォンで美味しいコーヒーを入れてくれた。
このカップは、昔から私を見つめていてくれた。
このカップを片手に泣いたり笑ったりした時が今では、懐かしい。
喫茶店経営の大先輩のマスターは、何でも相談にのるからね!と言ってくれた後、間もなくこの店を閉めてしまうという事を打ち明けてくれた。
私は、暫く言葉が出なかった。
今度は、私のcafeに来てくれると言うが私が癒される場所が無くなる事が寂しい。悲しい。
思い出いっぱいのカウンターにもたれながら20数年間が走馬灯のように浮かんできた。
この喫茶店がなくなることは、まるで大好きな恋人が消えてしまうような気持ちだ。
「このカップ覚えてる?」勿論覚えている。
オープンの時から使っていた残り2個の内の1個。
「あげるから花でも飾って!」私は、涙がこぼれるのを必死でこらえた。
私のようにこの喫茶店、バーを愛してきた人は、沢山いるだろう。
昔は、満席で空を待つ事なんて珍しくなかった。
今夜は、カウンターからゆっくり話す事が出来た。
このカップは、私のcafe にお守りとして飾ろう!
そして私も多くの人に愛されるようなcafeを目指して頑張ろう。